更年期をポジティブに生きる!心と体を整えるセルフケア法
「更年期」って、言葉の響きだけで少し憂うつになる。
でも、あの日から私は少しずつ考えを変え始めた。
■ 朝、カーテンを開けた瞬間に感じたこと
秋の光がやわらかく部屋に差し込む。
目覚めは悪くないけれど、なんだか体が重い。寝不足でもないのに、心の奥がもやっとしていた。
「またホットフラッシュかな……」
頬にふっと汗がにじむ。
エアコンをつけているのに、体の内側だけが熱い。
思わず笑ってしまった。以前なら「嫌だな」と思っていたこの感覚も、最近は少しだけ“自分の変化の証”として受け止められるようになった。
■ 医師の一言が、気持ちを変えた
半年ほど前、思い切って婦人科に行った。
検査の結果、「更年期の入り口ですね」と言われた。
その瞬間、心の中に“老い”という言葉がちらついた。けれど、医師は穏やかに続けた。
「体が次のステージに移る準備をしているだけですよ。」
その言葉に、少しだけ救われた。
“終わり”ではなく、“変化”。
ならば、自分の体をいたわる方法を探してみよう。そう思った。
■ 私が始めたセルフケア
まずは、朝の深呼吸。
窓を開けて、新しい空気を胸いっぱいに吸い込む。
それだけで、体のこわばりが少しほぐれていくのが分かる。
次に、白湯を一杯。
冷たい飲み物を避けて、内臓をじんわり温める。
体の中から整えることを意識し始めると、自然と食べるものも変わった。
・塩分控えめで、野菜多め
・納豆や豆腐など、植物性たんぱく質を意識
・夜はスマホを見ずに、ハーブティーでリラックス
完璧じゃなくてもいい。
“頑張りすぎない”ことが、今の私にとっていちばんのケアかもしれない。
■ 心を整えるための「小さな習慣」
ある夜、何気なくノートを開いた。
1日の中で「嬉しかったこと」を3つだけ書く。
・スーパーで季節の果物が安かったこと
・娘が「ごはんおいしいね」と言ってくれたこと
・夕方の空がピンク色だったこと
たったそれだけで、気持ちがふわっと軽くなった。
ネガティブにとらえがちな日々の変化も、視点を変えれば小さな幸せに包まれている。
■ 周りに話してみたら、同じように悩んでいた
友人に勇気を出して話してみたら、「私も実は…」と返ってきた。
仕事のストレス、家族とのバランス、体の不調――。
誰もが同じように揺れている。
そのことを知った瞬間、胸の中の孤独が少しほどけた。
「更年期」って、我慢する時期じゃない。
“整える時期”なんだ。
そう思うと、心の軸がすっと立つような気がした。
■ 未来の自分へのメッセージ
夜、寝る前の静けさの中で、私はそっとつぶやく。
「今日もよく頑張ったね。」
誰に聞かせるでもない言葉。
でも、そのひとことが不思議と明日の私を支えてくれる。
年齢を重ねることは、決してネガティブなことじゃない。
変わっていく心と体を受け入れながら、
もっとやさしく、もっと自由に生きていけたらいい。
■ おわりに
鏡の中の自分が少し柔らかい表情をしていた。
しわも、白髪も、悪くない。
それは、たくさんの時間を歩いてきた証。
更年期を“終わり”と呼ぶのではなく、
“再スタート”の始まりとして迎えよう。
明日もまた、朝の光を浴びながら深呼吸をする。
「これからの私も、きっと大丈夫。」
そう心の中で微笑みながら――。